2019年1月8日火曜日

阪大歴教研・第118回例会

大阪大学歴史教育研究会が、下記の通り、118回例会を開催します。
各分野の専門家が最新の研究成果にもとづき、歴史教育との関わりを追究していくものになろうかと思います。

大阪大学歴史教育研究会 第118回例会

日時:2018年1月19日(土)13:30~17:30

会場:大阪大学豊中キャンパス待兼山会館2階会議室
    ※通常の例会とは開催場所が異なりますのでご注意ください
    ※当日はキャンパス内でセンター試験が行われています。お越しの際は静粛を保っていただきますようどうぞよろしくお願いします。

【1】中谷惣(大阪大学大学院文学研究科准教授)
「ヨーロッパ中世都市と歴史教育」

 ヨーロッパ中世都市は、従来、封建社会に浮かぶ「自由」と「自治」の孤島として描かれてきた。それは封建制から近代市民社会へという「近代化」の問題の枠組みに強く規定された像といえる。近年、社会史研究の浸透もあって、都市に生きる人びとの目線で、都市の社会、宗教、政治、経済を描く試みが進められ、教科書上にも反映されつつある。この都市社会史研究は、どのように歴史教育、社会科教育に寄与することができるのか。これを拙著『訴える人びと』を基に考えてみたい。


【2】伊川健二(早稲田大学文化構想学部教授)
「地域に生き世界に伸びる 天正遣欧使節」


 天正遣欧使節は、日本の出身者でありながら16世紀のヨーロッパを訪れ、じつはその任をインドで終えた、伊東マンショを中心とした一団である。彼らがはじめてヨーロッパを訪れた日本人であるとの説明があるが、事実ではない。彼らの歴史的意義ははじめてであることではなく、日欧文化の対話の記録をヨーロッパにとどめたことにあるだろう。また、彼らが持ち帰った知識は、当時の日本に若干の影響を与えるとともに、明治以降に南蛮ブームを引き起こすことになる。また、その記憶は禁教の時を経て、各地域の関心を醸成することになる。限られた時間ではあるが、天正遣欧使節のグローバルな側面とローカルな側面を具体的な素材に即して概観し、日本史と世界史の接続について考えてみたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿